久幸繙文

2005年 畏国物語

東京散策

東京駅八重洲中央口の写真 日本国道路元標と東京市道元標の写真

国会議事堂の写真

夜行バスが東京駅に着いたのは若干遅れて8時半。夜行バスにしてはかなり遅い到着で、東京駅にも多くの人通りがあった。八重洲中央口から丸の内中央口に周り、皇居へのまっすぐな道を見ると「ああ、東京駅に来たんだなあ」という感慨が湧く。空は若干曇り、小雨がぱらついてはいるが、でしなの雨脚と比べればもはや止むのは時間の問題と言ったところだろう。これから、夢のような二日間をこのムテキノユウエンチで過ごす。うおおおお! 燃えてきたああああ!!!

……と、ひとしきり東京駅の前で燃え尽きた後、今回はそのまま皇居へ歩いていかず、一旦戻って日本橋の方から歩くことにした。日本橋は、かつての五街道(東海・中仙・甲州・奥州・日光)の起点であり、旧道路交通法における道路元標なるものが存在する場所だったらしい。今でも元標は埋められているが、何分道路の中央にあるため勿論撮影などは出来ない。その代わりなのかどうかは知らないが、橋詰に東京市道元標とセットでレプリカが飾られていたのでそれを撮影。

なんだか国道の元標より市道の元標の方が豪華な気がする点はこの際気にしないでおこう。ともあれ、ここを起点とする国道一号線は、遙か彼方の大阪梅田まで延びている。国道四号線はなんと青森まで延びている。「すべての道は東京に通ず」というわけではないが、何となく、ここが日本の道路の中心だという感慨のあふれる場所だった。

その後そのまま有楽町本面へと歩いていき、霞ヶ関を抜けて永田町に入る頃には、雲はすっかりと晴れ上がり、済んだ青空が天に広がっていた。智恵子は東京に空がないと言ったそうだが、しかし今日東京で見たこの空は、素直に綺麗だと思えた。まあ、雨上がりの空はどこで見ても澄んで美しいものではあるけど。

永田町は、さすがに国政の中心地ということもあり、井然と整えられた小綺麗な道路が走り、菊の紋章を掲げた筋骨隆々な人があちこちで見回りをしていた。最近はとみにテロの警戒が強化されているのか、表情や視線も険しく、その物々しさには少なからず気が沈む。ただ、観光客らしき人が話しかけると、手慣れた風に親切な対応をしていたところが救いであった。これからも、日本国の安全のために頑張っていただきたい。

こちらは国会図書館とそこで作ってもらった国会図書館の登録利用者カード。国会図書館は、国会議員や地方図書館などをも相手にする文字通り日本最大の図書館で、日本で刊行された全ての本を集めた図書館と言われている。日本の全ての本! こんな凄い響きがあるだろうか。もう二度と見ることは出来ないであろうあの本やこの本が、この図書館には眠っているのである。いやいや考えただけでも興奮する。1日どころか1年ぐらいこもりたい

なおこの図書館、先ほど言った通り、普通の図書館と多少趣旨が違うため、利用者は満18歳以上でなければならず、また図書館にはいるために入場証を発行しなければならなかったり、A5以上の荷物・鞄が持ち込めないなどの制限がある。多分、盗難を防止する目的があるのだろう。当然館内撮影も禁止されているため、雰囲気を伝えることは非常に難しいが、とにかく凄い。生来本は借りるよりも買う派の私だったが、ここだけは別格。今度東京に来る機会があれば是非また寄りたいと思える図書館であった。

その後、FFT+A Capture2の会場を下見して、午後からは準備に忙殺されているであろう晴郷さんと合流しようとメールを送ったのだけど、返事がちっとも返ってこない。さてはてどうしたものかと思い、せっかく国会図書館も見たのだから、以前から是非一度行ってみたいと思っていた神田神保町の書店街へと足を運ぶことにした。

古本屋の聖地『神保町』――なのだが、実際に行くとなると、微妙にわかりにくい位置にあるように思える。というより、地下鉄の乗り換えの多さが何とも疲れる。その地下鉄では、

  1. 疲れた
  2. エスカレータに乗る
  3. 疲れたので歩きたくない
  4. 関西人なので右側=立ちと思う
  5. 実際に乗る
  6. 関東では左側が立ちで右側は通行帯
  7. Σ( ̄□ ̄lll)
  8. ○| ̄|_ガックリ…

という罠に何度も引っかかり、神保町に着く頃には足もへろへろになっていた。無意識の癖とは恐ろしいものだなと思う。

しかし、神保町は私の期待を裏切らない。「誰が買うんやこんな本!」という本ばかりが置いてある古本屋から、国内海外の児童文学ばかりを集めた専門店まで、とにかくありとあらゆる個性的な本屋が軒を連ねていた。大通りに面した大きな本屋や、多少横道に外れた独特の雰囲気を醸し出す小さな本屋。どこもがありのままに誇り気高く商売をしていた。やっぱり本屋は神保町。はじめ「じんぽちょう」なんて呼んでいた間抜けな事実は忘れて、今度東京に行く機会があれば是非また寄ろうと思う。……今度は地下鉄じゃなくて中央線を使おうかな(苦笑)

その後、神保町から本屋をハシゴしながら靖国通りに沿ってどんどん歩いていくと、凄まじい電飾が燦めく一区画が見えてきた。……どっかでみたことあるなあと思ってよく見れば、そこは秋葉原。いつの間にやら随分歩いてしまったもんだ。というか、晴郷さんから連絡が全く来ないのが疑問だったので、神保町の時からずっとネットカフェを探していたのだけど、まあ、神保町でネットカフェを探すのは川でマグロを釣ろうとするようなものらしく、微妙に畑違いだったらしい。

そうこうするうちに、メールが来ない理由がついに判明。なんとメールの着信拒否に引っかかっていたのである。……そういえば、携帯4社のドメイン以外からのメールは全部拒否していたのをすっかり失念していた。ついこの前も、FFT+A公式アンソロ『アンテナ愛護』関連のメールを『題名に愛を含む』フィルタに引っかかってメールが届かないという失態をやらかしたばかり。昨今のスパムメールの増加に対して、着信拒否というのは非常に強力な機能ではあるけど、こういう副作用をちゃんと覚悟して使っていないと痛い目に遭うんだなあという事例ですな。

というわけで、全く連絡不通になっていた私を心配した晴郷さんが別のドメインから連絡を取ってきてくださり、上野公園の西郷像前でようやく合流。ホントにご心配をおかけしました。

お祭り前

どうやら晴郷さん達は一日中買い出しやら何やらでFFT+Aの準備に追われていたらしい。私と合流したときには、買い出し部隊と合流してそろそろご飯に〜という頃具合だった。上野公園の下にある店――和洋中と何でも揃っていたけど、微妙に決定打に欠けるメニューだったような……――でお食事。さすがに、私を一発で久樹 アマテルだと見抜けた人はいなかったな(となるとやはり哀さんとは特別な同属共感があったのだろうか……)

その後、日暮里の晴郷さんの家で、最後の総仕上げとも言うべき修羅場に突入。私はMFT2のCDの梱包や作業を中心に展開。なんて言うか、みんなのハイテンションがお祭り前夜の楽しさを物語っていました。オーラ出てるよオーラッ!

幸田一家の碑の写真 本門寺の五重塔の写真

MFTの作業が一段落したところで私とはぎーさんが離脱。泊まりは日暮里から少し離れた蒲田のファーストインというホテル。なんでこんな離れた場所にしたのかと言えば、二日目の午前に幸田 露伴(と文)の墓を訪れたいと思っていたから。ビジネスホテルで、設備云々は当然最低限レベルだったけど、オーナーらしき受付けのおやじさんがなかなかに人の良い人で、あと朝に無料でパンとコーヒーのサービスがついていて、個人的には大満足のホテルだった。休日は一泊5500円という値段も嬉しい。

池上駅を降りればすぐに本門寺への道案内が出ていたので、迷わずに辿り着けた。神保町とはえらい違いだ。辿り着くと同時に、寺特有の財産(?)である石段さんがお出迎えてくれた。そうそう、寺と言えば石段。小さい頃から石段を登ることには慣れていたので私は平気だったけど、これを見ただけでクラクラする人もいるだろう。そんな人は階段側に女坂なる階段があるのでご安心。後で調べてみれば、こちらもなかなかの景観らしく、今度行く際にはこちらを通ろうかと思っていたりする。

そしてこの本門寺。実は力道山など、結構有名な人の墓があり、それを目当てに訪れる人も多いらしい。力道山の墓へは看板も立てられており、墓自体もかなり立派なものだった。――のだけど、幸田一家の墓は微妙に分りづらい場所にあって、坊主さんに聞いてみたのにそれでも分りづらいという困った場所にある。

ただ、近くにそびえ立つ五重塔が、幸田露伴の「塔」をほうふつさせ、幸田 文の「月の塵」を思い出させる。明るく静かな場所にあった。空気が、その一区画だけ外と切り離されて、ピンと張っているようだった。静寂を壊すようなまねをするのも憚れたが、一枚だけ頭を下げて撮らせていただいた。不思議なことに、一枚は必ず失敗する私なのだが、今回はまともに写真を撮れている。良い思いをさせて貰った。

墓所を抜けると、簡単な展望台があり、そこから見る塔は黄葉の中で悠然とそびえ立ち、なかなかに印象的だった。私は寺よりも神社の方が好きな人間だが、なんとなく、ここは好きになれそうに思う。

FFT+A Capture2

FFTAオリジナルT-シャツの写真

そしていよいよメインイベント「FFT+A Capture2」(浮かれすぎて写真を撮るのをすっかり忘れ果てていたorz)

会場であるムーブ町屋は、夏の東京遠征や昨日のうちにしっかり下見をしていたので迷うことなく、11時30分、開場から30分遅れて到着。晴郷さんがスーツ姿で出迎えてくれた。その姿は、主催者の貫禄をはっきりと身に纏っていたし、やっぱりこの日のために色々苦労してきたことも多かったのだから、感慨深げだっただろうと思う。

会場には沢山の方々が同人誌を即売していて、どれも完成度が高い。というより、ネット上とはまた違った顔ぶれが多くて、まだ全部は読み切っていないけれど、すごく良い刺戟になった。それまで、同人誌を出そうなんてこれっぽっちも思っていなかったけど、今日この様子を見ると、なにやらムラムラと自分の中の以下略な気持ちが膨らんできている。――いや、あえてここではっきりと宣言しよう。もしCapture3が開催されれば、私は一発屋で「天照白書・外伝」(仮名)を引っ提げて参加したい。やばい、この空気楽し過ぎ。

普段ネットでしか知らない人と初めて会って、マサミレッタさんは「初めて会う気がしない〜」と言われて(ええ私もそうでしたw)、何人かの人に「アマテルさんって女性だと思ってました〜」と性別詐欺っぷりをいかんなく発揮し、ほくほく顔で同人誌を買いまくり、土産を買う予定だったお金にまで手をつけ(後に追加費用を引き落とす羽目に)、FFTとFFTAのカードコレクションのコンプリート展示に魅入り、続々と増えるコスプレイヤー(アグと白魔道士が異様に増殖してた気がする)に驚愕させられ、そうこうするうちに時間が過ぎてFFT・FFTAの用語を用いたビンゴ大会が、メリアさんとイズ君のティンジェル兄弟と晴郷さんの司会で始まる。――ん? ティンジェル? おお、今思えばあの人選には晴郷さんがヴォルマルフ(黒幕)だという意図も隠されていたのかッ!!(違

と、まあそんな感じでビンゴを行うが、何故か当たりがなかなか来ず、リーチの人が増える度にある種の異様な熱気が高まり続け、なんと、私も『イグーロス』でビンゴを取る。隣にいた蔵龍さん――その時はお互い名前を知らなかったのに、何故か普通に話をしていたという――も一緒にビンゴ。なんとFFTAのオリジナルTシャツをゲット。マジかよ。こんな全然何もしてねえ奴がこんなもん貰った日にはお天道様の罰があたっちまうんじゃないだろうか。

その後、せっかくなので打ち上げ会の際に着させていただきました。そして帰って即行でクリーニング行き(笑) 家宝として大切に扱いつつ、またFFT関係のイベントがあれば着ていきます。

あ、あと当たりの方で見事「デジョン・マスタード」を引き当てた方。それ入れたの私ですゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイorz

祭りの後、FFT+AスタッフにMTF参加者、公式アンソロ「アンテナ愛護」執筆者が一堂に集い、T+A二次会を開催。写真は撮らなかったけど、総勢41名の大軍団での宴会は凄まじい。アルコールがあと1年足りない私は、悔しいので烏龍茶をピッチャーで、しかも3杯飲むという意味があるのかないのか謎な行動に出て、色んな人と話をさせていただきました。白手袋さんのすっげえハイテンションと飲みっぷりに生暖かい拍手を送ります(笑)

感じとしては、久樹 アマテルを知っている人は大体半分ぐらいで、「何となく名前は聞いたことがあるな」という人が4割ほど。意外にも全く知らないと言う人は少なかった模様。あと、高天原アンテナを使っている人もちらほらいました。一方、地下書庫案内書とか月夜同舟を使っているという人はいなかった。まあ、FFTが発売されてからの時期を考えれば、当たり前と言えば当たり前なのかなとも思う。

一次会は、FFT+ACapture3やろうぜという盛り上がりを持って終了。その後、晴郷さんらは泊まりでFFTを語り尽くす二次会を企画されていたが、私は夜行帰宅組なので参加出来ず。とはいえ、夜行までまだ三時間以上残っていたので、同じような人を集めてカラオケぷち二次会を開催。主催は……多分私? で、必殺人間ボイスチェンジを披露し、お耳汚してしていただいたところで、微妙に引かれていた気がするのは気にしないことにしよう。うん。楽しかったし。

公式アンソロ「アンテナ愛護」

表紙 背表紙一覧の写真

なんかアマテルの奴もこっそり参加しているらしいですよ。

と、いうわけで、寄稿サービスとして頂戴させていただいた今回の公式アンソロジー。その名もアンテナ愛護。アンテナッてったらもはやラムザ&マーシュコンビのアレしかあり得ませんな。

何が凄いって、一般的の文庫本やCDケースを優に圧倒するその厚さ。FFT+A Capture1の公式アンソロ「ALBA」、そのさら前身にあたるイヴァリース星誕祭記念アンソロ「All Star Tactics」と比べても決して遜色しない作りに仕上がっています(もちろん、前回・前々回共々凄く良い作品。みんな一生の宝です)

ともあれ、寄稿する以上は死力を尽くします。出来の善し悪し(特に後半部分)はともかく、力一杯自分のラムザ観を主張したつもりであります。もしこの本を手にとって読まれた方の中に、久樹なりのラムザ ラヴ(ぉぃ)が伝わっていれば嬉しいです。伝わればいいなあ(弱気

当日入手出来ずじまいだった方のために公式ページにて通販の案内が出ておりますので、私のはともかく、読む価値は十二分にあります。価格も700円+送料と大変お買い得になっておりますぞ〜。

本当に、良い経験をさせていただきました。

総括

色々楽しかったけど、まだまだ、もっと楽しむことは出来たはず。次回が開催されればより積極的に参加しようと思う。本当に楽しまなきゃ損です。

[付記]山手線ICOCA利用記

首都圏・近畿圏を中心に普及しつつあるIC乗車券。JR東日本ではSuicaとして売られているけど、関西ではICOCAという名前で売られている(と言っても、技術的な構造は同じらしい)。私は神戸の人間なので、当然持っているのはICOCAなのだが、2004年8月より両地域で相互利用が可能となり、東京で神戸-大阪なんて券面に書いてある定期ICOCAだって利用できてしまうわけです。勿論チャージにも問題ないけど、右も左も緑色のカードの中、一人だけ青色のICOCAカードを緑色のカード読み取り部にかざすのは何とも言えないはにかみを感じたり感じなかったり。

しかしながら、Suicaのあのペンギン。あれだけ普及したマスコットキャラクターにも関わらず公式名称が存在しないというのは珍しい気がする。カモノハシのイコちゃんが仲間由紀恵と共にICOCAで行こか〜タッチしてICOCA〜というフレーズが大々的に放映されているJR西日本圏内の人間としては釈然としない気もするけど、関東では別に名前がなくても気にならないものなんだろうか。

ともあれ、便利なことには変わりないのだから、今後も各所に広まって欲しいものである。

久樹 輝幸