久幸繙文

無断リンク禁止を主張しているページを紹介する方法

そこまでする必要があるかどうかはともかくとして。

レベル.1 無視してリンクする

「リンクは著作権その他法的制限を受けないので、そもそも禁止なんて出来ない」という理屈に基づく方法。

時折勘違いされるが、ハイパーリンクは相手の文書のアドレスへの「参照」を表すに過ぎない。「引用」でもなければ、まして「転載」でもない。従って、制作者や管理者にこれを拒否する法的な権利はない[1]

そのため、合理的な理由を持っているのであれば、無視するのが一番手っ取り早い

但し、管理人の意にそぐわぬことには違いないので、相手から文句が来たり、場合によっては逆上した上に誹謗中傷付きで晒され、そのまま泥沼の論争へ……ということも考えられる。そういう馬鹿馬鹿しい事態を避けたいのであれば、やめておいた方が無難である[2]

ちなみに、多くのサイトはどこのサイトのリンクからそのページを読み出したのかを、「アクセス解析」という手法で把握している。

[註.01] というか、あったら困る。

[註.02] それすらも無視するのもアリと言えばアリだが。

レベル.2 URLだけ書く

「リンクをしてはいけないのだから、リンクしなければよいのだ」という理屈に基づく方法。真の意味で「参照」と言え、掲示板などでよく使われる。

World Wide Web最大最高の利点を殺す行為であり、コピーペーストが面倒ではあるが、確実な方法であり、トラブルになったという例もあまり聞かない。アクセス解析から把握出来ないので、管理人が認知するする機会が限られているからという理由もあるだろう。

但し、アクセス解析からは探知されないが、検索エンジンなどの検索結果から発見される可能性はある。また、管理人がURLの変更という形で対抗してくる可能性もある。

レベル.3 キャッシュサービスを利用する

ここからは、.htaccessなどで具体的にサイト外からのリンクによるアクセスを拒否しているページを対象とする。「そこのサーバで弾かれるのなら、それ以外の場所へリンクすればよいのだ」という理屈に基づく方法。

Googleのキャッシュ、ウェブ魚拓、或いはInternet Archiveなど、そのページのデータが保管されているサービスのページへリンクすれば、サーバ設定の影響を受けない。

但し、実際にリンクしたいページがそれらのサービスに登録されていないかも知れない。ウェブ魚拓なら自分で登録出来るので確実である[3]

[註.03] 管理人の申請で削除される可能性はあるが。

レベル.4 Googleなどの検索エンジンを経由する

「直接リンク? しないよそんなこと。検索結果にリンクするだけだから」という理屈に基づく方法。

まず、GoogleなどでリンクしたいページのURLを検索する。その結果ページに対してリンクすれば、語義的に直接リンクではなくなる[4]

更にGoogleの「I'm Feeling Lucky機能」を利用すれば、検索結果を経由することなくそのままサイトのページへリダイレクトされる。

この方法はレベル.3と異なり「検索結果」を経由せずにリダイレクトされるため、殆ど直接リンクしているのと変わらない効果が得られる[5]。また実際に直接リンクしているのはGoogleなどの検索エンジンなので、無断リンク禁止を訴えべき相手は検索サイトになる。多くの人は、検索エンジンを弾いてまでリンクを制限したいとは考えていない。

検索ロボットをも排除していたり、リンクしたいページが登録されていなければ通じない。その場合は、レベル.2の方法か、或いは引用などの手段を検討されたい。

[註.04] 言うなら「間接リンク」だろうか。

[註.05] 但し、転送先が必ずしもリンクしたい文書なのか保証出来なくなる。

結言

冒頭でも言った通り、果たしてそこまでする意味が「ある」のかどうかは、正直なところ大いに疑問である。「リンク禁止」は不当な主張であると筆者は考えるが、かといって、怒って声高に正論を主張しても仕方がない。やるなら黙って粛々とやった方が、お互い幸せになれると思う。

久樹 輝幸